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【ギター編②】ついに省略していないコードに取り組む!⑤コード表記の意味を全解説【初心者即興講座!2 – 6】

2016/10/07

lesson-2
【ギター編①】コード表記の意味を全解説の続きです。

Csus4からCm関連と分数コードの解説をしていきます。

メジャーでもマイナーでもないコード

コードのCsus4

鍵盤のコード表記のところでは「メジャーでもマイナーでもないコード」の話は割愛したのですが、ギターコードの場合この解釈は、けっこう重要なので少し説明します。

guitar-48
C F G
まずは構成音ですが、前述のようにC F GでEの音がなく、これはコードのルールとしてはかなり特異です。
それは、CとCmに分類される、メジャーコードとマイナーコードの区別が第三音のEにあるからです。

ところがsus4は、第三音のEがないので、メジャーコードとマイナーコードの決定ができないのです。
逆から考えると、メジャーコードとマイナーコードどちらとも言えるのがsus4でもあります。

メジャーでもマイナーでもないコードの話その②

もう少しこの話を広げると、使いやすいロックコードの話を通って、ジャズコードのテンションにおけるコードの決定づけも通過して、ギターのコードアレンジのスケールのバランスといった感じになっていくかと。

ひとまず今回はロックコードの話を解説します。

図で第三音の定義の確認

例えば、C E Gが構成音の「コードのC」
guitar-57
それと、C E♭ G が構成音の「Cm」
guitar-49
CとGは両方のコードに存在します。

と言うことは、二つのコードを区別する時、Gを外してもまだ区別がつきますが、第三音のEを外すとCかCmかわからなくなります。
CとGだけではコードのCか、Cmがわからないからです。

でも、この特性がギターではとても都合がいいのです。

ギターのロックコード

ギターのロックコードと呼ばれるコードの押さえ方があります。

guitar-58
バンドのコピー譜などで良く見かけるコードの押さえ方です。

これは前述のようにメジャーとマイナーの区別がないコードですので、かなり自由度が高くいろいろな曲にあいます。

メジャーとマイナーだけでなく、7thだろうが9thだろうが、ほとんどのコードに含まれるGはかなり自由度が高いのです。

またCに対するGの5thは、ハモりでもよく使われる音なのをご存知の方もいいのでは。
メロや他の楽器の音などにも干渉しないのです。

そしてこのコードをギターで、Overdriveなどの歪んだパワーのあるエフェクター音で弾くと、シンプルで簡単、それでいてパワーのあるコードが弾けます。

既にコピーバンド等の経験がある方は当たり前に聞こえるかとも思いますが、理屈としては上記のようになるのです。

そしてこの理屈はもっと応用が聞き、楽曲のアレンジに占める考えの基本とも言えます。
その細かい話は、ちょっと長くなるのでまたおいおいスペースをとります。

今のところはC、Cm、Csus4に見るコードを決定する音について頭に入れてもらえればと思います。

マイナーのコード

コードの説明に戻ります。
先ほどのコードを決定する音の話を、頭の片隅に置きながら読んでもらうと面白いのではと思います。

コードのCm

guitar-49
C E♭ G
3が半音下がり、マイナーコードの基盤になる構成になります。

コードのCm6

guitar-50
C E♭ G A
Cm6を決定づけるのはC E♭ Aなりますので、その音を全て入れると上図のような少し変則的な形になってしまいます。

本来ならメインの音のCはベース音でもありますので、一番下に持ってきたいところですが、この3フレット目を基準にした押さえ方だとそれは無理でしょう。
その場合8フレット目を基準にしたりしてコードを作ったりもします。

コードのCm7

guitar-51
C E♭ G B♭
コードとしても頻度が高いm7。
形が他のコードに移行しやすかったりするので、音の位置もきちんと覚えておきたいコードです。

CmM7

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C E♭ G B
見た目だとマイナーとメジャーが混ざって倫理に反している気がするコードですが、これまでのルールに沿って考えると案外単純です。

このコードなんか使いづらそうな雰囲気もしますが、案外ポップスでよく出てきますし、ギターにも比較的馴染みやすいです。
この話は鍵盤でも言えることなので、またいずれ別の括りで説明したいと思います。

コードのCm9

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C E♭ G B♭ D
コードを押さえるポジションの、左側に1フレットシフトしました。
少し変則的な形になりましたが、ジャズのコードではメインとなる考え方です。
この話もまた後日。
(すいません、あまり話を広げて書くと散漫になってしまうので。。)

コードのCdim7

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C E♭ G♭A
一見難解ですが、2フレット目を人差し指でガバッと「セーハ」として押さえるので、案外押さえやすいかと思います。

「ディミニッシュ」と読みます。

7をつけないdimも見かけますが、実際の使われ方はdim7となっていることが多い気がしますので、dim7の構成で覚えたほうがいいと思います。

直訳だと、diminish [ 小さくなる、減少する、~を少なく ] とのことでなんとなく意味はわかるような気が。

少しややこしいのは7と言いながら音は6のところかと。
もともとBが♭していたところが下がっているのでAになってしまい実質6になってしまう不条理です。
諦めましょう。

案外ポップスでの使用頻度もあります。
D, D#dim7, E といった経過音として入るようなことが多いと思います。

コードのCm7♭5

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C E♭ G♭ B
変装的な形ですが、案外手に馴染むのではと思います。

音はdim7に似ていますが、ギターでの使われどこは全く違うことが多いと思います。
泣きの一瞬のコードとして使われるイメージが強い気がします。

以上で終わりです!

が、まだ分数コードがあります。

分数コード

「分数コード」とは「C/B」と言ったスラッシュで割る表記をする二つが合わさったコードです。
意味は「コードのC」のベース音だけ「B」です。

「なんでそこまでやるの!?」
と憤る方も多いと思いますが、ここまで何度か話しているようにルールから外れても綺麗に聞こえればOKなのが音楽。
むしろルールから外れた時に、味が出るとも言えます。

そんなアレンジの中の一つが分数コードとも言えます。

C / Bの意味と弾き方

そんな訳で「コードのC」のベース音だけ「B」の弾き方です。

ギターでわかりやすく例として、中音から高音は同じ音のまま、ベース音を変えていく演奏などわかりやすいかと思います。

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guitar-59
guitar-60
G C Eは薬指でガバッと押さえて、
B → A → Gと
人差し指 → 中指 → 人差し指でベース音を変えていきます。

なんともギターっぽい雰囲気ができます。
これを「クリシェ」と言ったりします。

分数コードの雰囲気として覚えてもらえればと思います。

その他おまけ

「m」は「△」や「−」と書くこともあります。
ジャズではこう書くことが多い気が。

最後に

ギター編、2回に分けましたが、やはり疲れました。
内容のボリュームがデカイです。

まつわる話もしたいのですが、あまりにも文章が増えてしまうの、調整も難しいです。

sus4のところでした、コードを決定づける音は、かなりギターで大事なので早めにまとめて記事にしたいと思います。

主にキーボードとギターの
初心者がなるべく簡単に即興(セッション)演奏を目指す講座!

主にキーボードとギターの</span><br>初心者がなるべく簡単に即興(セッション)演奏を目指す講座!

Introduction この企画の概要は、前編のこちらをご参照ください。

Series 1 主にコードを簡単にして覚える内容 - 初級者向き

1 - 1 「C」が持つ3つの意味。「ド」であり「コードのC」であり「スケールのC」でもあり
1 - 2 コードの丸暗記はある程度必要です。でも省略OK!7やら9やらはとりあえず無視!
1 - 3 簡単なコードの曲ならもう弾けるはず!ビートルズのGet Backを弾いてみる
1 - 4 なぜ同じコードにいくつも押さえ方がある?展開系で流れを綺麗に&左手でベース音を
1 - 5 ギターのコードは同じ型で横移動。コード内の相対的な音の関係は一緒です

Series 2 主にスケールとコードを覚えて伴奏に幅をつける内容 - 初〜中級者向き

前編 初心者〜中級者向け「一歩踏み込んだ」コード表記の意味を全解説
2 - 1 コードやスケールは「音が外れて聞こえないように人が決めたルール」
2 - 2 ついに省略していないコードに取り組む!①まずはコードの呼び方から
2 - 3 ついに省略していないコードに取り組む!②くっついている数字の意味
2 - 4 【鍵盤編】ついに省略していないコードに取り組む!③コード表記の意味を全解説
2 - 5 【ギター編①】ついに省略していないコードに取り組む!④コード表記の意味を全解説
2 - 6 【ギター編②】ついに省略していないコードに取り組む!⑤コード表記の意味を全解説

用語集ではないです。
実践と、理論も少し踏まえ、最短で即興やコピー演奏のアレンジできるようになるところを目指します。
「楽しい音楽人生には、ここまで出来ればいいのでは」が目標の初心者講座。