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コードやスケールは「音が外れて聞こえないように人が決めたルール」【初心者即興講座!2 – 1】

2016/10/01

lesson-2

コードはコード一覧という教典、スケールは由緒正しき沢山の音階がある気がしますが、それはもともと人が決めたルールです。

感性のままに音階なしで奏でるのは難しいので、ルールを決めて演奏し始めただけの話です。

この第2章(Series 2)はそのルールとなるコードとスケールを理解して、伴奏アレンジができるようになることを目指します。

スケールはすでに感覚で慣れ親しんでいる

音が外れて聞こえるのは、すごく簡単に言えばスケールから音がずれているからです。

また、特に音楽を学んでいなくても、なんか変だ、ずれてる気がすると感じるのは、スケールを感覚である程度わかっているからかと。

なのでそれを鍵盤の尺度で置き換えるのが音楽理論とも言えるかと。

「Cスケール」と「Cのキー」はほぼ同義です。
piano-28

大まかに言って、Cのキーの曲ではこの音階が書いてある音から外れなければ、音が外れたとは聞こえません。

言い換えると白鍵がCのキー?

その通りです。
キーボードだと見た目もわかりやすく簡単です。

Cのキーの曲と言えばLet it be

曲で例えると、この講座でなんどもお世話になっているLet it be。

ビートルズのLet it be

Let it beは、ほぼ上記の白い鍵盤のみで弾けます。
メロディーだけでなくコードもです。

第1章で覚えた省略コードでもいいですし、譜面を探して完全にコピーしてみてもわかると思いますが、白い鍵盤だけで弾けます。

なぜでしょう。

それはCのキーだから。
Cのキーの曲で使うコードは、Cのスケール中の音を幾つか集めたものだからです。

人間が決めたルール

なぜそんなに都合がいいんでしょう?

それは人間がそう決めたからです。

「外れて聞こえない音を集めて順番にしたものを「スケール」と呼びましょう」
「っで、そのメインのCのキーはピアノの白鍵に当てはめましょう」

と、だいぶ前に決めたからです。

ただのルールなのです。
そうしたほうが便利だから、もしくは便利なものを考えたから皆んなが使うようになったんです。

結構単純な話だと思いませんか?
難しい公式の学問ではないんです。
この音の並びのバランスがちょうど良かったから広まったんです。

ただ一箇所だけ違うLet it be

白鍵から外れないCのキーと連呼してきましたが、Let it beを弾いてると、
実は一箇所だけ白鍵から外れるところがあります。

B♭とA#は同じ意味です
piano-29

ギターソロ前の間奏の中に「コードのB♭」が出てきます。
確実に黒鍵を押さえるので、Cのスケールからはみ出してます。

ダメじゃん?ビートルズ?

そうです。
Cのキーから、はずれてしまっているので理屈上はダメです。

でも、聞いてて外れた感じはしませんよね?
むしろB♭の音は、黄昏と言うか哀愁みたいな味を感じます。

なのでいいのです。綺麗に聞こえれば。

いい感じに聞こえればOK!

記事中盤でも書いたように、コードやスケールはあくまで人が決めたもので、ルールとして決めたことで扱いやすくなったただのツールです。
なので原点に帰れば、人が不快に聞こえなければ音楽は成立するんです。

むしろ、ルール通りにやっていると堅苦しさを覚えるのが人情ともいうところ。
ビートルズはそのルールから外れた音を巧みに使うグループだったとも言えます。

Let it beのB♭いい響きだと思いませんか?
ぜひ弾いてみてください。

あ、B♭だけを弾くのではなく、CのキーのLet ite beの中で弾かないとダメです。

「スケール」と「キー」の違いで補足

「Cスケール」と「Cのキー」ほぼ同義です。

ですが厳密に言えば「Cのキー」と言う概念の中に「Cスケール」があるイメージでしょうか。
この辺は、教科書に載っている定義よりも、一般的な会話で形容される話の内容のほうでのイメージです。

「キー」は曲全体をさして話すようなことが多いと思いますが、スケールはあくまで使っていい音を話すことの代わりに使う言葉であることが多いかと。
両方ともCだと「C D E F G A B」を指してはいますが、話している枠は違うことが多い気がします。

「スケール」と言うと少しややこしい話の時も

ややこしくなるのであまり触れたくないのですが、余談ぐらいなイメージの話です。

「スケール」と単品で言うと、またちょっと意味合いが違う場合もあります。

ペンタトニックスケールがよく使われる言葉ですが、ミクソディリアン、イオニアン等、舌を噛みそうな理屈の話もあり、「スケール」と単品で言うと、それらを指す場合もあります。

ただこの辺は、後々さわりだけ知ってればいいかなと思います。
ちょっとややこし過ぎです。

本講座の目標「楽しい音楽人生には、ここまで出来ればいいのでは」からは外れるかなと。
作曲を本格的にやりたい場合に覚えるところかと。
簡単な作曲ならいらない知識です。

最後に

概念的な話が多くなりましたが、大事かなと思いますのでこういったところは大事に書こうと思ってます。

主にキーボードとギターの
初心者がなるべく簡単に即興(セッション)演奏を目指す講座!

主にキーボードとギターの</span><br>初心者がなるべく簡単に即興(セッション)演奏を目指す講座!

Introduction この企画の概要は、前編のこちらをご参照ください。

Series 1 主にコードを簡単にして覚える内容 - 初級者向き

1 - 1 「C」が持つ3つの意味。「ド」であり「コードのC」であり「スケールのC」でもあり
1 - 2 コードの丸暗記はある程度必要です。でも省略OK!7やら9やらはとりあえず無視!
1 - 3 簡単なコードの曲ならもう弾けるはず!ビートルズのGet Backを弾いてみる
1 - 4 なぜ同じコードにいくつも押さえ方がある?展開系で流れを綺麗に&左手でベース音を
1 - 5 ギターのコードは同じ型で横移動。コード内の相対的な音の関係は一緒です

Series 2 主にスケールとコードを覚えて伴奏に幅をつける内容 - 初〜中級者向き

前編 初心者〜中級者向け「一歩踏み込んだ」コード表記の意味を全解説
2 - 1 コードやスケールは「音が外れて聞こえないように人が決めたルール」
2 - 2 ついに省略していないコードに取り組む!①まずはコードの呼び方から
2 - 3 ついに省略していないコードに取り組む!②くっついている数字の意味
2 - 4 【鍵盤編】ついに省略していないコードに取り組む!③コード表記の意味を全解説
2 - 5 【ギター編①】ついに省略していないコードに取り組む!④コード表記の意味を全解説
2 - 6 【ギター編②】ついに省略していないコードに取り組む!⑤コード表記の意味を全解説

用語集ではないです。
実践と、理論も少し踏まえ、最短で即興やコピー演奏のアレンジできるようになるところを目指します。
「楽しい音楽人生には、ここまで出来ればいいのでは」が目標の初心者講座。