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なぜ同じコードにいくつも押さえ方がある?展開系で流れを綺麗に。そしてキーボードだと左手でベース音を【初心者即興講座!1 – 4】

2016/09/27

lesson

今回は展開系という主にキーボード演奏の軸になる少し理論のお話です。とはいえギターも同じ楽器ですので、この話を知っていると応用が利きますので、ぜひご一読いただけたらと思います。

演奏の流れを綺麗にする展開系

ギターの話では何度か触れていましたが、キーボードも同じコードでも押さえ方いくつもあったかと思います。

例えば「G」だと
キーボードのコード一覧を見ると、こんな感じで押さえ方が3つあると思います。

一番メインの「G」
piano-15

順番を変えて「B」の音を一番低く持ってきた「コードのG」
piano-16

順番を変えて「D」の音を一番低く持ってきた「コードのG」
piano-17

コードブックによって、音が上がって行くか下がっていく違うと思いますが、全体がオクターブ上かオクターブ下かの違いなので「D G B」の順番は一緒です。

例えば上記で例えると、
「D」の音を一番低く持ってきた「コードのG」のオクターブ下
piano-18

となって同じです。

構成音は全部いっしょ

上からG B D、B D G、D G Bと順番は変わりますが、使われている音は一緒なので全部コードの「G」ではあります。
これを「展開系」といいます。

言葉通り展開していく感じなのでなんとなく意味合いは理解しやすいのではと。

とはいえ弾くと感じますが、ニュアンスではちょっと違いが出て、D G Bなどはちょっと違和感さえ感じます。
ギターではいくつもの同じコードを弾き比べても、これほど違和感は出ません。

でもコードブックには出ているので、きっと使っていいはずです。
ではどういう時に使えばいいかというと、講座1-1でも見本になったビートルズのLet it beで考えてみましょう。

展開系で流れを綺麗に

ビートルズのLet it be


歌い出しの「When I find 〜」のあたりのコードは「C G Am F」です。

さて、どうやって弾きましょう。

piano-19

普通の基本形で考えると①〜④のようになるかと思います。
でもこれだと、正直どこか素人っぽい気がします。
なんというか軽いともいう感じ。

ここで展開系の出番です

2番目のコードの「G」を、冒頭でも記載した「B D G」にしました。
展開系ですので構成音は一緒です。

piano-20

弾いてみると少し滑らかになった気がしませんか?
これが展開系の使いどころです。
少しアレンジがついたとも言えます。

piano-22

なので展開を変えればこんな感じもありです。
正直メロディーとは合いませんが、コードの流れとしては綺麗かもしれません。

という感じで展開系はプレイヤーに任されます。
曲に合わせて自身で選んでいいのです。

というより、選ばないとなんとも素人っぽく聞こえてしまい、演奏としてつまらない演奏になりがちです。

そして左手でベース音を

「それでもまだ素人っぽい?」
たぶんそう感じる方も多いと思いますがその通りです。

実は、キーボードでコードを弾く場合まだ続きがあります。

空いている左手を使い、ベース音となる音を足して、もっと音に厚みをつけて弾くのが一般的です。

今回の投稿でよく出てきているコードのGを例にすると、
piano-23
右手は今までの「G B D」か展開系。
左手は「コードのG」の「G」とそこから数えた5番目の「D」、そしてオクターブ上の「G」を、主に左手の「小指、人差し指、親指で押さえます」

これが一般的なキーボードでのコードです。

Let it beでの展開系の例

前述の、Let it beを展開系で弾いてみると、

シンプルな「コードのC」
piano-24

少し展開をした「コードのG」
piano-25

シンプルな「コードのAm」
piano-26

シンプルな「コードのF」
piano-27

右手はだんだんと音が下がっていきながらも、左手はきっちりベース音の補強をされているので、かなり安定して聞こえるのではないかと思います。

バンド等での演奏となると、音色や他のパートとの兼ね合いで左手の音の厚みを変えることはありますが、キーボードでコードといった場合、上記のように左手でベース音をつけるのが一般的です。

正解はないが最初と最後は基本のフォームがベター

ほぼ自由な展開系ですが、一応、最初と最後、もしくは区切りとなるところは基本のフォームでの演奏がベターです。
あくまで経過の中で、音の流れを滑らかにするのがメインの使い所としたほうが演奏が落ち着きます。

上級者になれば、歌詞の不安な部分と展開系の雰囲気を合わせたり、ライブで盛り上がっていたら、とにかく上へ上へ展開とかもありですが、最初のうちは、安定した綺麗な流れを目的とした展開系を使ったアレンジと考えたほうがいいと思います。

ほどほどに。
といった感じかと。

ギターも展開系?

ギターではあまり展開系は一般的でないと考えていいです。

ジャズギターではキーボードと似たような考えをしますが、本ブログでの方向性だと、バンドや弾き語りがメインですし、一般的な大多数もそうかと思いますので、ギターでは展開系と考えより、高いほうの「コードのG」、低い方の「コードのG」といった捉え方のほうがいいかと思います。

ギターの場合は、それよりもコードを型として捉えて、6本の弦をどこまで弾くかや、弾き方のニュアンスでノリを変えたりっといったイメージです。
その辺はまた別の投稿の時に。

それでは、この回はこの辺で終了です。

最後に

ここまで特に指定はしていませんでしたが、キーボードで練習をしていると多分ピアノの音色で弾かれる方が多いと思います。
それでいいと思います。

特に最初は音の響きがシンプルで純粋なピアノ系の音がいいと思います。

また今後触れますが、キーボードの場合音色によっても左手の扱いが変わるので、今の所は基本を覚える意味でピアノの音色が無難かと思います。

主にキーボードとギターの
初心者がなるべく簡単に即興(セッション)演奏を目指す講座!

主にキーボードとギターの</span><br>初心者がなるべく簡単に即興(セッション)演奏を目指す講座!

Introduction この企画の概要は、前編のこちらをご参照ください。

Series 1 主にコードを簡単にして覚える内容 - 初級者向き

1 - 1 「C」が持つ3つの意味。「ド」であり「コードのC」であり「スケールのC」でもあり
1 - 2 コードの丸暗記はある程度必要です。でも省略OK!7やら9やらはとりあえず無視!
1 - 3 簡単なコードの曲ならもう弾けるはず!ビートルズのGet Backを弾いてみる
1 - 4 なぜ同じコードにいくつも押さえ方がある?展開系で流れを綺麗に&左手でベース音を
1 - 5 ギターのコードは同じ型で横移動。コード内の相対的な音の関係は一緒です

Series 2 主にスケールとコードを覚えて伴奏に幅をつける内容 - 初〜中級者向き

前編 初心者〜中級者向け「一歩踏み込んだ」コード表記の意味を全解説
2 - 1 コードやスケールは「音が外れて聞こえないように人が決めたルール」
2 - 2 ついに省略していないコードに取り組む!①まずはコードの呼び方から
2 - 3 ついに省略していないコードに取り組む!②くっついている数字の意味
2 - 4 【鍵盤編】ついに省略していないコードに取り組む!③コード表記の意味を全解説
2 - 5 【ギター編①】ついに省略していないコードに取り組む!④コード表記の意味を全解説
2 - 6 【ギター編②】ついに省略していないコードに取り組む!⑤コード表記の意味を全解説

用語集ではないです。
実践と、理論も少し踏まえ、最短で即興やコピー演奏のアレンジできるようになるところを目指します。
「楽しい音楽人生には、ここまで出来ればいいのでは」が目標の初心者講座。